DATE : 2009/05/13 (Wed)
戦国武将・前田慶次が著した「前田慶次道中日記」の復刻版(山形県米沢市立図書館刊)が、NHK大河ドラマ「天地人」の放送開始に合わせた1月の増刷分1500部が完売し、同図書館に問い合わせが殺到、5月に増刷される人気となっている。直江兼続の親友とされ、「かぶきもの」としてマンガやゲームにも登場する慶次は、歴史好きの女性の人気も高まっているという。
前田慶次(慶次郎、利益)は、戦国末期に活躍した武将で、織豊時代に前田家に仕えるが、同家を出奔し、京都で浪人した。その後、上杉景勝に仕え、関ケ原の合戦時には、出羽(現山形県)を中心に、徳川家康方に属する最上氏らとの「最上合戦(長谷堂城の戦い)」などで兼続とともに戦功を上げたとされる。浪人時代に多数の文人と交流し、故・隆慶一郎さんの小説「一夢庵風流記」や原哲夫さんのマンガ「花の慶次」などで、奇矯(ききょう)な振る舞いをする「かぶきもの」として描かれ、広く知られるようになった。
「前田慶次道中日記」は、関ケ原合戦後に、京都にいた慶次が、京都伏見から米沢へ戻るまでの旅の様子をつづったもの。同図書館に原本が伝えられ、「花の慶次」発表後に全国からファンが集まるようになったため、01年に原文と現代語訳の解説書、旅の行程図などをセットで復刻。今年1月には、慶次の没地とされる米沢・堂森山を描いた江戸時代の絵と、慶次のよろいをあしらった特製カバー付きで増刷したが、3カ月で完売し、改訂版1500部を5月に発行した。
イケメンの戦国武将が登場するゲーム「戦国BASARA」(カプコン)のヒットなどで歴史好きの女性が「歴女」と呼ばれるブームが起きた昨年から、売れ行きが上昇。同市立図書館によると、多い時で1日100件以上の問い合わせがあり、女性が半数近いという。「昨年からのブームに、『天地人』が放送されて人気を集めているようだ。『天地人』で慶次が登場すると、もっと盛り上がるのでは」としている。
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