DATE : 2009/04/20 (Mon)
スポンサーより怖い存在がいるらしい
民放業界にとって、視聴者は決してお客様なんかではないのだろう。お客様はスポンサーを置いてほかにない。(かといって、受信料徴収システムに依拠しているNHKの肩を持つつもりなんか絶対にないのだが)。
ところが、民放にはスポンサーより怖い存在があるらしい。何の説明もなく、すべてのレギュラー番組から降板させられたお笑いタレントの北野誠氏の一件を見ていると、そのことを痛感させられる。北野氏がすべてのレギュラー番組(テレビとラジオの両方)から降板させられた話が伝えられた当初は、所属先の松竹芸能が単に「特定の芸能関係者を中傷する発言があったため」としか発表しなかった。こういう場合、普通なら相手から名誉毀損で訴えられたりしてから話が進展するものである。ところが、すべて水面下で話がついてしまってからの発表である。つまり、視聴者を完全に無視したやり方だ。
中傷された相手がいったい誰であるかについては、松竹芸能も放送局側も明らかにしていない(説明責任を完全に放棄したかたちである)。このニュースが伝え始められたころは、その情報の薄さから、かのペッパーランチ事件を思い出してしまったほどだ。しかし、だんだん輪郭が浮かび上がってきた。
現時点では、相手が誰であるかをブログでずばりと指摘している有名人もいるし、一部週刊誌でもその人物の名が挙げられている。
真偽のほどは定かではないので、このブログではその人物の名前に具体的に言及せずにおく。しかし、仮に真実であるとするなら、今の民放業界は、視聴者をお客様と思っていないのはもちろんのこと、スポンサー様よりもっと怖い相手がいるということになる。しかも、その相手とは、人気タレントや俳優を番組に送り出す大手芸能事務所である。
他の業界に当てはめて考えるなら、人材を派遣する側の会社が派遣先に対して、これほどまでに支配力を持つことは考えられない。私の本業の方でも、翻訳/通訳エージェンシーは、ひいひい言いながら客の無理な要求に応えようとしている。
もちろん、テレビ業界でも、あくまで大手の芸能事務所が幅を利かしているだけであり、弱小事務所はいろいろと苦労しているらしいが(上の話が本当なら、松竹も大手に組み伏せられたかたちなので、まさしく苦労している側だろう)、たかだか芸能プロダクションが“権力”を行使できるほどにまで至ったのは実に不思議なことである(まあ、昔から“興業”には、ある種の組織の介在がつきものだったわけではあるが)。 livedoor ニュース - テレビはもう死んでいる?(その1)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090419-00000025-sph-ent
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000002-jct-ent